#02 デザイン性のある服は、難しいものなのか。

「デザイン性のある服は、自分には少し難しい。」

そう感じたことはないだろうか。

個性的な形。
大胆なディテール。
目を引く存在感。

確かにそれらもデザインの魅力の一つだ。

しかし、デザインは目立つ装飾や奇抜な形だけを指すものではない。

一見するとシンプルな服でも袖を通した瞬間に印象が変わることがある。

その違いを生み出すのは、肩の落ち方、丈の長さ、身幅の余白、身体と服の間に生まれる距離だ。

肩の位置が数センチ変わるだけで上半身の見え方は変わる。

丈の長さによって全身の重心も変化する。

身体に沿う部分と離れる部分のバランスによって同じ色の服でも異なる表情が生まれる。

素材もまた、服の印象を大きく左右する。

光を受けたときの見え方。
使い込んだような色や風合い。
触れたときの硬さや柔らかさ。
歩いたときに生まれる揺れや立体感。

写真では伝わりきらない感覚が実際に身につけることで現れる。

細かなディテールも単なる装飾ではない。

切り替えの位置や縫い目の見せ方、ポケットの大きさ、付属の選び方。

一つひとつは小さな要素でもそれらが重なることで服全体の空気がつくられる。

IAKUが考えるデザインとは服だけで完成するものではない。

着る人の体型や動き、姿勢、その日の合わせ方によって見え方が変わるもの。

ハンガーに掛かっているときよりも誰かが着たときに初めて魅力が現れる服を選びたいと考えている。

現在展開しているアイテムも単に珍しいかどうかではなく、着たときにどのようなシルエットが生まれるか、動いたときにどう見えるかという視点から選んでいる。

デザイン性とはわかりやすく主張することだけではない。

着る前と着た後で、わずかに印象が変わること。

その違いを感じられることも服を選ぶ楽しさの一つだ。

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